当院では院長ががん治療の専門医(放射線治療医)であるため
鎮痛薬のメサペインの処方が可能です。
緩和治療において疼痛の管理はかなり患者さんの人生の質に関わります。
通常の鎮痛薬から、鎮痛補助薬、麻薬と様々な痛みを管理する薬剤を使用しますが
最後の切り札とも言えるのがメサペイン(メサドン)です。
大容量の麻薬でもコントロールがつかない場合、
このメサペインに切り替え、あるいは加えると痛みがコントロールできるようになったりします。
それだけ強力な鎮痛作用がありますが、注意点もあります。
最も気をつける必要があるのが、心臓のリズム異常です。
QT延長症候群といい、ご自身では自覚症状はないのですが
これに注意せずに使用を続けてしまうと、心臓に発作的な不具合が起きてしまいます。
そのため、当院では定期的に12誘導心電図検査を行なって患者さんの状態を確認しています。
メサドン(メサペイン)は最後の切り札というくらいですので、少ない量の麻薬を使っている方には使いません。
以下の換算表は切り替え時の換算表ですが、オキシコドン40mg未満の方やモルヒネ60mg未満の方は切り替えません。
また個々人によって、メサドンの効き具合がかなりかわりますのでま
ずは安全面にも配慮して、このような換算で切り替えを開始しますが、この後痛みに応じて増量します。
オキシコドン経口剤(1日量) | モルヒネ経口剤(1日量) | メサドン経口剤(1日量) |
40~106mg | 60~160mg | 15mg |
106~260mg | 160~390mg | 30mg |
260mg以上 | 390mg以上 | 45mg |
もちろん、腫瘍の痛みをコントロールする方法として
放射線治療のような副作用の少ない効果的な方法も提案していきますので
腫瘍の痛みや麻薬の副作用でお困りの方はご相談ください。
参考
第6版 メサペイン錠 適正使用ガイド